第4回フードバンクTAMAシンポジウム

フードバンクTAMA第4回シンポジウムを開催しました! 初の八王子市のシンポジウム開催にもかかわらず、寒い中、70名の方にご参加いただきました。八王子市役所の一杉昇子様によるご挨拶、共同通信社生活報道部の山本大樹様の基調講演、更に自立支援ホームトリノス代表の渡辺剛史様による現場報告など、とても貴重なお話をお聞きすることができました。様々な角度からのお話に共感の声が上がりました。参加された皆さまにとっても実り多い会合になったとの声が寄せられております。アンケートを取らさせていただきましたが、賛同する声が多数をしめました。 <内容> 司会挨拶 早川洋子(フードバンクTAMA理事) ■挨拶  ・高井智治(フードバンクTAMA理事)  ・一杉昇子 氏(八王子市役所福祉部生活自立支援課課長)    ■基調講演  ・山本大樹 氏(共同通信社生活報道部) ■報告 ・渡辺剛史 氏(自立支援ホームトリノス代表) ■質疑応答 ・閉会の辞 神山治之(フードバンクTAMA理事長) <挨拶・講演・報告の要旨> ①高井智治の挨拶(フードバンクTAMA理事) フードバンクTAMAは、活動を開始してより3年目に入りました。私たちは、とりわけ子どもに焦点を当てて活動をしてまいりました。活動地域は年を追うごとに広がり、八王子、日野、立川、町田、多摩、青梅などの児童福祉施設やひとり親家庭への食料支援を精力的に行うようになりました。こうした活動は、ボランティアを中心に行っております。特に重要視していることは、児童福祉施設職員の方々や子どもたちの顔が見える支援ですし、こうした方々が必要としている食品やサービスを確認しながらの支援を心掛けています。食料支援を通じて、直接必要なものとは、食の提供だけではなく、教育もそれに当たることだと気付くようになりました。そうしたことを踏まえ、昨年4月からは、無料塾も開始いたしました。これまでの活動にあたり、ボランティアの方々や食品提供や寄付をしてくださった市民の皆様や企業様に深く感謝いたします。今後もなにとぞご支援をよろしくお願いいたします。 ②一杉昇子氏の挨拶(八王子市役所福祉部生活自立支援課課長) ただいまご紹介いただきました、八王子市役所福祉部生活自立支援課の一杉です。フードバンクTAMAシンポジウム開催にあたり、ご挨拶させていただきます。第4回目のシンポジウム、はじめての八王子での開催ということで、大変うれしく思っております。ありがとうございます。また、日頃のフードバンクTAMAさんの活動をはじめ、フードバンクTAMAさんの活動に賛同し、ご協力くださっている方々に感謝申し上げます。生活自立支援課では、生活困窮者の方、生活困窮世帯の方々からお話しをお聞きし、就労支援をはじめ自立にむけた各種支援を実施しております。相談者の多くが、複合的な課題を抱えていたり、社会的に孤立してしまっている状況が多くみられます。その中には、子どもさんもいる家庭も多く、その保護者への支援やケアも含め、子どもをとりまく環境を整えていくことが、子どもの貧困対策につながっていくものと思い取り組んでおります。私たちが事業を進めていくうえで、それには、庁内関連機関はもとより、子どもたちのために活動している市民団体や地域の方々の支援も不可欠でございます。フードバンクの存在もとても大きな力になっております。また、直接子どもを対象とした事業といたしましては、困窮世帯の中学生等を対象に無料学習教室や訪問による学習支援を実施しております。子どもたちがその環境に左右されることなく、希望をもって未来に進んでいくために、地域の中で子どもたちのために活動してくださっている素敵な方々の存在がとても大切なことだと感じております。今日は、共同通信生活報道部の山本様や自立援助ホームトリノスの渡辺様から貴重なお話しを伺えることも心から楽しみに期待しております。よろしくお願いいたします。 ③基調講演:山本大樹 氏の講演(共同通信社生活報道部) 子どもの貧困という問題を、データ・政策・現場を踏まえてお話しします。子どもの出生数は1973年にピークの209万人を記録しましたが、直近の2017年には94万人に激減しました。子どもの相対的貧困率は2015年の段階で13.9%、一人親世帯に限ると50.8%です。親の「稼ぐ力」をどう高めるかが課題になっています。非正規から正規へ。就労政策は「雇用の質」に力を注ぐ必要があると思います。子どもの学習支援事業について事例を紹介します。江戸川区では文科省の「地域未来塾」という事業を活用し、「1655勉強Cafe」という取り組みを実施しています。区内の全中学生、高校生が無料で利用できます。大学生のボランティアが勉強をサポート。進学や人間関係の悩みなど、生活面の相談相手にもなっています。また同区では、中高生が日常的な食事の調理法を学ぶ「1655キッチン」も開催しています。皆と一緒に調理や食事をすることで孤食を防止し、健全な食生活を身に付け、生きる力を育てます。いずれも生徒や保護者には経済的負担がなく、財布を持たずに参加できることが特徴です。来年10月からは幼児教育の無償化が実施される予定です。認可を受けた幼稚園や保育所の利用料は所得が多い世帯ほど割高になっているため、無償化されると高所得層が大きな恩恵を受けることになります。所得にかかわらず等しくサービスを受けられる仕組みは重要ですが、まずは低所得対策を充実させるべきだという意見もあります。どのようなアプローチが適切なのか、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 ④報告:渡辺剛史 氏の報告(自立支援ホームトリノス代表) 先ずは、フードバンクTAMA様へ、いつも野菜や果物を届けていただき感謝いたします。初めに自立援助ホームについてお話しします。自立援助ホームとは一言でいえば、諸事情で就労自立を余儀なくされた若者が共同生活を営む「寮」ということです。次にどんな子が生活しているかですが、義務教育終了後~22歳、以前は児童養護施設を退所した子たちが多かったのですが、今は家庭から来る子が6割くらいになっています。また、どんな家庭から来るかについてですが、生活保護、母子家庭、外国籍、親が病気などです。こういった子たちの入所のとっかかりですが、①警察による補導、生活保護、ワーカー、学校、近隣からの児童相談所への通告、②親から児童相談所へ通告、③本人が警察や福祉事務所、児童相談所へ保護の申し出、となっています。ホームで暮らす子たちの実態としては、就労自立といっても生易しくはありません。次に子どもたちが必要とする支援ですが、就労、住居、生活スキル、学習支援、メンタルケアなどです。支援をしていく上で大切なことは、利用者の自己覚知、「選択」の尊重、「体験」の積み重ねになります。 ⑤閉会の辞 神山治之(フードバンクTAMA理事長) 閉会に当たりまして、主催者として、一言ご挨拶を申し上げます。八王子市役所福祉部生活自立支援課課長一杉様、基調講演講師の共同通信生活報道部 山本大樹様、自立援助ホームトリノス代表 渡辺剛史様、皆様の貴重なお話を伺い、最新の現状を再認識する事が出来ました。ありがとうございました。今年の春には元号も変わり新しい時代に進んでまいります。一昔前の誰が見ても苦しい生活の方々はあまり見かけなくなりました。ですが、「格差社会」の現在では、見えにくい「相対的貧困」が広がり厳しい生活を強いられている方は確実にいます。普通の服を着て、携帯を持って、見た目には何処にでもいる子供達。今の時代、携帯のライン等で繋がれなければ仲間外れになってしまいます。この費用を賄うために食費を浮かして、頑張っているケースもあります。私共、フードバンクTAMAは、2016年に立ち上げ今年で4年目に入ります。八王子・日野市を中心に近隣の立川・町田・多摩・昭島・青梅市等の社会福祉協議会とも連携を図り、多摩地域の子ども達の未来を考え地域の力で子ども達の幸せを願って活動しています。本日も貴重な食料品をフードドライブで集めさせて頂きました。この様に集めさせて頂きました食料品ご自宅での「もったいない」が、届けた先の施設・団体で「おいしいね」に変わっています。その時の笑顔はボランティア冥利に尽きると思います。本日 第4回目のシンポジウムを開催出来ました事は、皆様のお力添えがあっての事です。現場の話を聞く事で、皆様との思いが大きな力になる事と信じております。昨年2018年6月から「日野未来塾」という無料塾も始めました。「貧困の連鎖」を断ち切る為にも勉強の出来る環境を作り、上の学校にも進んで貰いたい、未来ある子供達を地元や地域でサポートしながら大事に育てて行きたい その思いを胸に私共フードバンクTAMAは引き続き活動してまいります。皆様におかれましては、私共の活動にご賛同頂き、御助力を頂ければ幸いです。今までは賛同して頂きました。明日からは、ボランティアとして時間の寄付、賛助金や寄付金等のお金の寄付、今回のフードドライブの様な食品の寄付の様な皆様の接客的なご参加をお願いしたいと思います。最後になりましたが、本日ご参集の皆様方様のご多幸をお祈り申し上げ、閉会の挨拶とさせて頂きます。本日は 本当にありがとうございました。 <アンケート結果> 参加者70名中、回答数38名 Q1 「本日のシンポジウム開催を何で知りましたか?」 A1 「広報・ポスター・ちらし」が52%、「ホームページ・フェイスブック」が47% でした。 Q2「シンポジウムの参加回数は?」  A2「初めて参加した」が82% Q3「総合的にどのくらい満足されましたか?」 A3 「満足」29%、「ある程度満足」71% Q4 「子どもの貧困問題について関心が高まりましたか?」 A4 「高まった」53%、「ある程度高まった」45% <寄せられたご感想> △子連れで途中からの参加でしたが、大変興味深く拝聴しました。困ったときに皆で当たり前に支えあえる社会をつくっていきたいと思います。 △子どもの貧困=親の貧困ですから、根本的には若い労働者の収入を増していくことが重要と思います。 △具体的な事例をお聞きできる機会ありがとうございました。これからも事例や必要なサポート情報が得られるとありがたいです△児童福祉へ政府により多くの予算をいただけるよう、また、今後も子どもの福祉へより多くの人々が注視し続けてもらえるように応援させていただきたく思います。 △子どもの貧困というキーワードで、「子ども」への視点が強くなりがちでしたが、自立をすぐに控えている方、既にその段階にある方への支援のニーズについて深く考えさせられました。 △自立援助ホームは、児童養護施設出身者の利用が多いと思い込んでいたが、実際は異なっているということを知れて良かったです。「自立」という言葉は罪深いですね。 △自立援助ホームで暮らす若者たちのお話しを興味深く聞いた。自分の子育てのヒントにもなりました。食品の提供に協力していきたいと思う。 △一般に知られていない悲惨な現状のお話しが多く、陰でこのように大きな負担を背負いながら尽くして下さっている方々に支えられている現状がやりきれない。もっと広く広報されて、公の大きな支援が入ってほしいと思います。