フードバンクTAMA第1回シンポジウムを開催

 

フードバンクTAMA第1回シンポジウムを開催しました!

約60名の方にご参加いただき大変ありがとうございました。”有意義なシンポジウム”とのご評価をいただきました。子どもの貧困問題の専門家である首都大学東京の小田川先生のご講演は、ご自身のこれまでの体験をもとに、様々なデータを駆使して子どもの貧困の実態と問題点をわかりやすくご説明いただきました。また、全国フードバンク推進協議会事務局長の米山様の報告では、とりわけ「フードバンク子ども支援プロジェクト」の取り組みに多くのことを学ばせていただきました。自立援助ホームトリノス指導員の三浦様の報告では、現場の気づきや心配りに大いに触発されました。その後の質疑応答においても活発な質問が寄せられ、参加された皆さまにとっても実り多い会合になったのではないかと思われます。アンケートを取らさせていただきましたが、賛同する声が多数をしめました。なお、今回のシンポジウムにおきましては、日野市社会福祉協議会の宮崎様はじめスタッフの皆さまの支援によるところが大きく、感謝申し上げます。

<内容>
司会:安達富夫(フードバンクTAMA理事)
■ 挨拶
・奥住日出男氏(日野市社会福祉協議会会長)
・芝田晴一朗(フードバンクTAMA事務局長)
■ 講演
・小田川華子氏(首都大学東京 子ども・若者貧困センター) (PDFファイル
■ 報告
・米山広明氏(全国フードバンク推進協議会事務局長)(PDFファイル
・三浦淳子氏(自立援助ホームトリノス指導員)
・鶴岡紗慧さん(高校3年:元「ほっとも日野」学習支援ボランティア)の報告
■ 質疑応答・意見交換
・閉会の辞:神山治之(フードバンクTAMA理事長)

<挨拶・講演・報告の要旨>
① 奥住日出男氏(日野市社会福祉協議会会長)の挨拶

本年1月19日、貧困対策の連携を深めるために、私ども日野市社会福祉協議会とフードバンクTAMAさんとの間で連携協定を結びました。
子どもの貧困は見た目ではわからないです。また、物質的な貧困とは別に心の貧困もなおざりにしてはならない、と社会教育の現場にいる私たちは実感する日々です。
子どもが学校の校庭でポツンと一人でいる姿、家に帰ってもお母さんはいない、そんな事態を少しでも改善できたら・・・
そんな思いで現在取り組んでいるところでございます。

② 芝田晴一朗(フードバンクTAMA事務局長)の挨拶

これまでの活動の中で、フードバンクは地域のつながりをつくるのに適していると実感しています。今後も地域の児童養護施設や子ども食堂、市内の商店、様々な組織とつながっていきたい、と考えております。
なお、ご案内のとおり、一人でも多くボランティアに加わっていただきたいし、資金的応援としての寄付もなにとぞお願いいたします。

③ 小田川華子氏(首都大学東京 子ども・若者貧困センター)の講演

PDFファイルに沿って貧困家庭の子どもたちの生活実態調査の説明をしていただいた。この調査は、東京都内の4自治体に住む小学5年生、中学2年生、16-17歳の本人とその保護者2万世帯・4万人の集計と分析がなされている。「食べ物が買えない子どもは何%」、「困窮層ほど野菜、たんぱく質の摂取量が少ない」、「困窮層ほど健康状態が悪い」、「学習環境の欠如」など、様々な角度からの説明がなされた。そうした実態を踏まえ、貧困状態にある子どもたちへの対応は、「認める・ほめる・感謝する」ことが大事で、特に存在そのものを認めることが大事だと訴えかけられたことに感銘を受けました。

④ 米山広明氏(全国フードバンク推進協議会事務局長)の報告

PDFファイルに沿って「子どもの貧困対策としてのフードバンク」と題して、様々な角度でフードバンク山梨の活動を中心とした話をしていただきました。食のセーフティネット事業は全国にさきがけて取り組んだ事業で、全国から脚光を浴びました。また、「無縁社会に新たな縁を作り出すフードバンク活動」も、時代を見据えた興味深い取り組みであると思いました。最後にご紹介いただいた「フードバンクこども支援プロジェクト」やフードドライブの実施も大変参考になりました。

⑤ 三浦淳子氏(自立援助ホームトリノス指導員)の報告

社会的養護18歳をこえた若者を支援する施設としての「トリノス」の役割と、若者たちとの日々のやり取りを様々な事例をお話しいただきました。”くじけても、自分のことを支えてくれる大人がいるというのが前提”という言葉に非常に共感を覚えました。

⑥ 鶴岡紗慧さん(高校3年:元「ほっとも日野」学習支援ボランティア)の報告

八王子学園高校3年の鶴岡紗慧です。先月まで「ほっとも日野」で学習支援のボランティアとして活動しておりました。ボランティアを始めて2年になりますが、そのきっかけは、私自信が高校受験の際、こども支援塾の方々に勉強を助けていただいたことにあります。

中学1年の3月、勉強をよく見てくれた父が急死し、同級生が多く通っている個人塾に入った。毎回、和気あいあいとした楽しい授業で、1年半があっという間に過ぎてしまった。

8月から通った勉強会は、有志の方がボランティアで運営。裕福でない家庭でも無理なく通え、高校受験まであと半年もない私を受け入れ、時間の合間をぬって個人指導で補習してくださった。感謝とともに、ときどき、見返りもないのにどうしてだろうか、と不思議に思ったものだ。しかし、最近では私も、その仕事をしたいと思うようになっている。

私は塾の先生になりたい。小さな寺子屋を開きたい。家が裕福でも貧しくても、学校に通っていようがいまいが、平等に学び育っていける空間をつくりたい。また、私の寺子屋が、家庭でも学校でもない、子どもにとっての第三の居場所として開かれた場所になることを望む。

出会いは素晴らしいものです。生徒さんから刺激を受け、多くのことを教わりました。謙虚であること、同じ目線で柔軟な心を持つこと。やりがいがあり、私にとっても居心地の良いこの現場に帰ってこられる日を楽しみに、自分との戦いに臨みたいと思います。

■ 閉会の辞:神山治之(フードバンクTAMA理事長)

本日のシンポジウムを開催した事は、小さな一歩かもしれません。しかしながら、皆様と思いを共有出来る事は、大きな力になると信じて疑いません。
少子高齢化、子供の貧困など、様々な問題が山積みです。未来ある子供達を地元や地域でサポートしながら大事に育てて行きたい。
その思いを胸にフードバンクTAMAは活動を始め邁進してまいります。皆様におかれましては、私共の活動にご賛同頂き、御助力を頂ければ幸いです。

<アンケート結果及び参加者のコメント>

「今回のシンポジウムに参加されてどの程度満足されましたか」については、「大変満足した」が86%でした。また、「今後、このような会合に参加されたいですか」については、「参加したい」が35%、「できたら参加したい」とのご回答が58%でした。

■寄せられたご感想のいくつかをご紹介します。
・「とても良い内容で話も具体性があり勉強になりました。子どもの貧困はこれからの社会に大きな問題をなげかけていくと思います」(女性・69歳)
・「自分の子ども時代を思い浮かべながら話を聞かせていただきました。自分も同じような経験をした人間として涙が出るような気持ちでした」(男性・75歳)
・「各地で子ども食堂ができたり、市としても施策ができてきたということですから、行政・社協・団体のネットワークでいろいろな多様な支援ができるといいと思います」(女性・58歳)
・「子どもの貧困については知っていて、テレビでも食について報道されたのを観て興味が湧き、本日参加させていただいた。今回報告していただいた自立援助ホームについても現状の厳しさを少し理解できた気がしました」(女性・34歳)
・「フードバンクご利用者の気持ちを垣間見ことができました。自立援助ホームのお話を聞き、孤独な気持ち、貧困から来る辛さを、社会の皆で共有し、支えあえる環境をつくっていけたら、また、作っていかなくてはと思いました」(女性・35歳)

■ 各ご家庭から食品をお持ちくださり、大変ありがとうございました。


市内の児童養護施設等にフードバンクTAMAのスタッフが責任をもって届けさせていただきます。


2017/06/06